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2020.7.8

訃報 ジョセフ A. マチャレロ博士

クレアモント大学院大学名誉教授のジョセフ A. マチャレロ博士が7月1日に逝去されました。78歳でした。

マチャレロ博士は、P.F.ドラッカー博士と最も近くで仕事をされてきた方で、ニューヨーク大学時代からの長年の同僚であったドラッカー博士とともにマネジメント論の教材制作やドラッカースクールMBAコースでのマネジメント論の講義などの数多くの学術・教育活動を行っていました。

そして、マチャレロ博士はドラッカー博士の晩年期の書籍の共著者・編集者でもあります。

2005年のP.F.ドラッカー博士逝去後、ドラッカー博士の知的遺産の深耕に教育・研究の範囲を絞り、これが自身の天職だと感じ、特に2013年のクレアモント大学院大学引退後は、ドラッカースクールの枠を超えて広範囲に渡って教鞭をとり、出版してきました。

「ドラッカー 365の金言」「ドラッカー 教養としてのマネジメント」「プロフェッショナルの原点」「経営の真髄」「A Year with Peter Drucker: 52 Weeks of Coaching for Leadership Effectiveness」など多くの書がマチャレロ博士によるものであり、マチャレロ博士の最後の著書は、亡くなる直前の今年のメモリアルデーに完成したとのことです。

多くの人が、マチャレロ博士のことを紳士で素晴らしい友人と語ります。

マチャレロ博士はドラッカースクールで最も人気のある教授の一人でした。ドラッカースクールの卒業生は、次のようなコメントを寄せています。

「ピーター・ドラッカーのマネジメントに関する著作を、有意義な議論を促すことで教えてくれました。彼は楽しく学ばせてくれて、私は個人的にいつも彼の授業を楽しみにしていました」

「熱心で、あたたかくて、素晴らしい先生でした」

「はかりしれない優しさ、温かさがある先生でした」

「授業も綿密に秩序だってわかりやすく、実践的でした」

「ドラッカースクールの学生は、マチャレロ教授からドラッカー理論の学び方をしっかり教わりました」

「ジョーは正直で、感動的で、世界を変えました。彼は周囲の人々の目、心、そして人生を高めました」

「先生のドラッカーマネジメント論の講義の最終回、様々なことを説明しようとして、うまく言葉にまとまらなかったようで、最後は Just do it! で終わり、一同笑ったことを思い出します。ドラッカーの理論も、マネジメントも、とにかく君たちが実践するのみ!というメッセージとして受け取りました」

「博士論文の指導で、マチャレロ博士と時には話が盛り上がって数時間に及んで、話し込むことがありました。ピーター・ドラッカーがそうしたように、マチャレロ博士はひと泳ぎしてから出勤。そしてピーターと同じように、妻と家族への愛情が溢れていていたことが深く印象に残っています。」

2012年5月16日に日比谷図書館で行われたマチャレロ博士の講義の結論部分を引用いたします。

変化と不連続性こそがこの世に存在するものの実体であり、個人、組織、国家が生き残り繁栄するためには、この事実を認識しなければならない。ドラッカーは、この大きな変化を未来に外挿し、機会を発見するよう促している。

この変化に抵抗するもの全てに対して、警戒しなくてはならない。そして、その必要性は増している。

ドラッカー学会における研究・学び、ならびに、ドラッカー学会員の実践・活動にはマチャレロ博士の功績が大きく影響しています。

ジョセフ A. マチャレロ博士の生前のご研究、教育活動に感謝し、ここに謹んで哀悼の意を表するとともに、マチャレロ博士のご冥福を心よりお祈りいたします。

https://www.claremont-courier.com/articles/obituaries/t37930-marciariello